前略、派遣の冒険。

派遣社員が起業するとどうなるか

読書感想文 ユニクロ帝国の光と影/横田増生

 

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)

 

適当評価 ★★★☆

読書感想文は水曜18時に更新します。 

 

タイトル通り、ユニクロの成功の裏にある光と影を書いた本。特に今まであまり語られることのなかった影の部分についての記述はとても興味深い。

敏腕経営者のように見える柳井社長のこんな一面も。

”柳井さんには、自分の中にあるコンプレックスというか、こんちくしょうみたいな感情をバネにしてビジネスに取り組んできたところがあるように見えました。” P.37

ユニクロが実践する徹底した品質管理は物作りをする者としてとても参考になる。不良品率0.3%なんていうありえない数字を実現する実行力はすご過ぎる。

一方で、タイムカードを押してから店舗に戻る社員の働き方や、社員のうつ病増加など、闇の部分も。

資本主義において、ギリギリで社員を酷使して利益を最大化した方が勝ちなのか。ワークライフバランスの理想を重視しすぎて資本主義ゲームに負けたら社員は職を失う。経営者の端くれとして、考えさせられる一冊。

起業記-11 最高に孤独で最高にエキサイティングだ

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起業記は月曜と金曜18時に更新します。

 

僕の孤独な夏休みが始まった。

朝6時に起きて、朝食を食べて、7キロ自転車に乗って学校に行く。学校のジムでシャワーを浴びて、8時前に仕事を始める。

VISA申請、法人設立の事務作業をやって、プロダクト開発を行う。

電子基盤の設計をして、材料を集めて、半田付けする。

基盤の動作プログラムを書いて、テストをする。エラーが出れば改善する。

参考になりそうなプロダクトを買って分解して分析する。

製造業者をアリババで探して交渉する。

プロトタイプの3Dモデルを作って、3Dプリンタでプリントする。

夜になったら自転車で帰宅して寝る。

こんな作業を毎日、1ヶ月以上続ける。ほとんど誰とも話すこともない。

とっても孤独だ。2年前僕がイメージしていたCEOとは明らかに違う。

華やかなパーティーもないし、ビジコンでも負けるし、いきなり100万ユーザを獲得することもないし、突然お金持ちが現れて出資してくれることもない。

すごく孤独ですごく大変だ。

 

でも、ものすごく楽しい。

毎日毎日違う問題が生じて、毎日前進して、毎日世界が変わる。

夜はだいたいよく眠れない。不安で眠れないか、興奮して眠れないかのどちらかだ。

それでも毎日が最高にエキサイティングで楽しい。

こうしてプロトタイプは徐々に完成していった。

起業記-10 そして一人になった

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起業記は月曜と金曜18時に更新します。

 

アメリカ法人設立の準備をしながらプロダクト開発を進めていると、夏休みはもうすぐ迫ってきた。勝負の夏だ。

前のエントリーで書いた通り、Co-Founderたちは「保険のために」インターンの面接を受けていた。

そして、チームミーティングの時に一人が言った。「インターンのオファーをもらったから、そっちに行くかもしれない」。もう一人もオファーを受けたという。

僕は「あ、こいつらインターン行くな」と直感的に思った。SVPに落選してから、ある程度このようになる流れは予測も出来ていた。ある程度の実績が出るまでチーム内に温度差が生じるのはしょうがない。そこで、「インターン行くのはいいけど、俺は一人でも残ってビジネス成長させるから。この夏は勝負だから、インターン行くなら約束していた株式配分はXからYに変更するよ。」というカウンターオファーを出し、1週間で結論出すように伝えた。

一週間後、Co-Founder2人はインターンに行くと言った。リモートで働くから大丈夫とか、インターンの経験が今後のビジネスに活かされると思うとか言っていたけれど、そんなの信用してビジネスの計画なんて立てられない。

結局彼らは僕が提示したカウンターオファーを受けて、去って行った。

そして僕は一人になった。

 

読書感想文 よなよなエールがお世話になります/井手直行

 

 適当評価 ★★

 読書感想文は水曜18時に更新します。

 

自然を愛するあまりバイクで北海道に移住した青年が、よなよなエール製作に携わり、社長になり、楽天の三木谷さんに悪絡みし、最高のユーザコミュニティを作り、最高の会社を作る話。

最高に面白い。

この本のせいで今宵もよなよなエールを呑む羽目になる。

 

 

起業記-9 米法人設立

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起業記は月曜と金曜18時に更新します。

 

2015年4月下旬。夏休みは始まろうとしていた。SVPに落選しても落ち込んでいる暇はない。僕らはタイムラインを引き直し、今年の冬にKickstarterで資金集めをすると決めていた。

単純に計算して、あと6ヶ月でプロダクトをクラウドファンディングに出せるクオリティに仕上げて、クラウドファンディング用のビデオ作製などをする必要がある。クラウドファンディングをするにあたり、アメリカ法人を設立する必要もある。

 

僕は開発をする傍ら、法人設立の準備を始めた。アメリカ法人は日本人でも設立できる。でも設立にあたり必要なSocial Security Number(日本でいうマイナンバー)は、基本的に就労ビザと共に発行されるので、アメリカの就労ビザを取得する必要がある。僕は学生ビザで入っていたので就労ビザは持っていない。

アメリカの学部や修士課程を修了すると、1年間働くことが出来るOPT(Optional Practical Training)という就労ビザが取得できる。あまり知られていないが、そのOPTには以下の2種類が存在する。

Pre-Completion OPT: 一定条件を満たせば在学中に取得可能

Post-Completion OPT: 修了後に取得可能

一般的にOPTというとPost-Completion OPTを指すが、僕はまだ卒業していないのでPost-Completion OPTは取得出来ない。Pre-Completion OPTの条件を調べてみると、僕でも取得できることがわかった。

Pre-Completion OPTの弱点として、在学中の就労日数が卒業後のVISA有効日数から差し引かれるということだ。正確には、在学中はパートタイムと見なされるので、在学中の就労日数*0.5が差し引かれる。例えば、在学中に300日就労したとすると、卒業後のOPTの有効日数は

365日-(300日*0.5) = 215日となってしまう。

その為、通常Pre-Completion OPTを取得する人は少ない。なぜならば、就職活動の時に、365日のビザを持っている人と215日のビザを持っている人を比べた時、215日のビザを持っている方は不利になるからだ。

Pre-Completion OPTを使いたいと学校に相談すると、やはり考え直すよう説得された。でも僕にはこれしかない。今、OPTの日数を残すために法人設立を諦めるわけにはいかない。第一、僕は就活しないと決めたんだ。就活のためにOPTを残すなんて意味がわからない。

こうして僕は「例外的に」Pre-Completion OPTを取得とアメリカ法人設立を進めた。

起業記-8 起業家は断れるのが仕事だ

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起業記は月曜と金曜18時に更新します。

 

夏休みが近づいてきた。僕が在籍していたBabson大学では、夏休み期間にBabson Summber Venture Program(SVP)というプログラムがある。そこでは、起業家や起業家予備軍の学生が10チームほど選抜され、10週間のプログラムの中で集中してビジネスを成長させる。Babsonは起業家育成の大学なので、こういったマインドの生徒はたくさんいる。SVPの期間はBabsonの寮が無料で借りられ、学内のコワーキングスペースで作業し、各チームにメンターが割り当てられる。各チームが抱える問題を解決しながら集中して一気に成長して行く。

僕らの次の目標はこのSVPに決まった。ここに入り、集中してビジネスを成長させよう!そう意気込んでプロダクト開発をしていた。

僕はSVPに入ることしか考えていなかったし、入れなくても夏休みは自分のビジネスに100%時間を使おうと決めていたので、インターンの面接は一切受けていなかった。Co-Founderたちは「保険として」インターンの面接も受けていた。残念ながらどんなチームでもこのような温度差は必ず生じる。彼らはインターン面接に時間を使っていたが、僕は全然気にしていなかった。それを規制するのは無理だし、そこを議論してる時間がもったいない。

 

SVP はまず書類選考があり、その後面接、そして10チームが選抜される。

僕らはビジコンで得た教訓を元に、プロダクトを見せられるものに仕上げて行った。ハードウェアも3Dプリントし、アプリも見せられる状態まで仕上げる。

こうしてSVPの応募を済ませた。

まずは書類審査。

 

通過。

 

まずは一安心。実は書類審査で多くのチームが削られた事で、学内では「起業家育成の大学が起業家をこんな半端な審査で削ぎ落とすとはどういう事だ」と少し問題になっていた。これに関しては僕も概ね賛成だ。卒業生として敢えていうと、Babsonの起業家育成部門のオペレーションは凄く甘い。本気度が足りないように感じる。彼らも結局は教育機関のサラリーマンであり、ビジネスをジャッジする能力は低い。緊張感がないので、どんなアイディアでも親身になって応援してくれるという良い点もあるのだけれど。。

 

そして面接。

 

落選!

 

こうしてビジコンに続きSVPでも負けた。残念だったのは、SVPでの落選理由が聞けなかった事だ。

でもこれは1つの結果だ。受け止めて、次の策を講じなければならない。

まず、ほぼ全てのスタートアップのアイディアはほとんど一般には受け入れられない。一般に受け入れられるアイディアであればもうどこかの大企業がやっているだろう。断られ続けて、1%の確率で存在するファンや投資家を見つける。これが起業家として大切な事だ。

SVPに落選したけれど、僕は夏休みはビジネスに集中することに決めていた。もちろんCo-Founderたちもそうするものだと、僕は期待をしていた。

読書感想文 シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

 

読書感想文は水曜18時に更新します。

 

140キロ体重があったシリコンバレーIT企業家が、体と脳をハックしてダイエットとハイパフォーマンスを実現する方法を伝授する本。著者自身が脳施設からチベットの奥地まで自分の体を使って調べ上げている。著者は食事が心身のパフォーマンスに一番大きな影響を与えるとし、どんな食材が体にどんな影響を与えるかを説明している。たとえば、ナス科が頭痛を起こすことや、コーヒーのカビ毒などの話は新鮮でとても面白い。

個人的に好きだったのは以下。

問題は、ダイエットの実践者も医師でさえも、意志力という概念をまるで誤解していることだ。この人たちは、成功の秘訣はとにかく気合いを入れて、無尽蔵の意志の力で過食をしないことだと信じている。ところが、意志力は限りある資源だということが 証明 されてきた。毎日、意志力を使い果たすこともあるし、もっと頑張ろうと決めたからといって、意志力が 改めて供給されることはない。

「決定疲れ」とは、長時間の意思決定のあとで 決定の質が劣化することを指す、実証 された心理現象である。たとえば、ある研究によれば、裁判官は一日のうちの遅い時間になるほど、被告に有利な判決を下すことが 少なくなるという。

デイヴ・アスプリー. シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 (Kindle Locations 664-668). . Kindle Edition.

日々重要な意思決定をする人は普段の重要な所に意思決定力を使うべきだと思う。満員電車や不要な社内政治に意思決定力を使うのはやめよう。

 

僕は本書で紹介されている完全無欠コーヒーを1ヶ月ほど試したことがある。ダイエットのためというよりも、脳のパフォーマンスを上げるために実践していた。結果として、パフォーマンスは上がったと思うし、凄く良かった。でも朝からバター入りコーヒーを飲み続けると僕の胃は悲鳴を上げ始めたので止めた。胃が強い人はお試しあれ。

 

適当評価 ★

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事