前略、派遣の冒険。

派遣社員が起業するとどうなるか

コレクトMBAスチューデント

アメリカはルールが少なく自由の国で、 日本は自由が少なく見えないルールに縛られている国。僕はそんな印象を持っていた。しかし、アメリカに来て生活をしていると、どうもそうではないことが多い事に気づく。

アメリカには見えないコレクトネスというものがあるのだ。Correctnessとは正しさということで、日本でいう「空気」に似ているのかもしれない。

例えば、コレクトMBAスチューデントの条件として、車、いい家、ネットワーキング、ニューヨークタイムズ、Mac、ウォールストリートジャーナル、エコノミスト、ジム、ヘルシー、パーティー、旅行、などが挙げられる。みんな同じようなグレードの車に乗り、月に数回ネットワーキングイベントに行き、NYTやWSJをMacのブラウザで開き(実際に読んでいる人は5%くらいだろうか)、オーガニックフードを食べ、週に数回ジムで運動する、といった感じだ。それで休みがあると結構な大人数で旅行に出かける。こんな感じの事をやっていれば割と誰でもMBAスチューデントっぽくなれるのではないかと思う。

こうやって見てみると、僕はコレクトではなかった。まず車を持っていないし片道7キロを自転車で通学していた。もうこの時点で相当クレイジーでアウトだ。僕はMBA以外の人とハウスシェアをしていたが、これもコレクトではない。MBAスチューデントはMBAスチューデントとシェアをするのがコレクトだ。ビジネスを立ち上げて忙しく、リクルート関係のネットワーキングには参加した事もないし、旅行に行くお金と時間があったらビジネスに投資したかったのでみんなで行く旅行にも参加してない。そもそも集団で行動することがあまり得意ではない。学校のジムは毎日行っていたが、7キロ自転車を漕いだ後の汗を流すことが主な目的だった。おそらく僕のMBA的要素は、MacでWSJを開くくらいだったのではないかと思う。

こういったコレクトでない生活を送っていると、軽蔑される事はないが、何か居心地の悪さを感じる事も結構ある。

このようにアメリカでは各社会的グループ内で独特のコレクトネスが存在し、基本的にそのルールに従って行動している。 ただし日本と違うのは、アメリカ人はコレクトネスを口にしない。「コレクトネスの範囲で行動しろ」などという言葉は決して言わないし、コレクトでない人をKYのような言葉で呼んだりもしない。なぜなら、そのような言動はアメリカにとってコレクトではないからだ。