起業記-8 起業家は断れるのが仕事だ
起業記は月曜と金曜18時に更新します。
夏休みが近づいてきた。僕が在籍していたBabson大学では、夏休み期間にBabson Summber Venture Program(SVP)というプログラムがある。そこでは、起業家や起業家予備軍の学生が10チームほど選抜され、10週間のプログラムの中で集中してビジネスを成長させる。Babsonは起業家育成の大学なので、こういったマインドの生徒はたくさんいる。SVPの期間はBabsonの寮が無料で借りられ、学内のコワーキングスペースで作業し、各チームにメンターが割り当てられる。各チームが抱える問題を解決しながら集中して一気に成長して行く。
僕らの次の目標はこのSVPに決まった。ここに入り、集中してビジネスを成長させよう!そう意気込んでプロダクト開発をしていた。
僕はSVPに入ることしか考えていなかったし、入れなくても夏休みは自分のビジネスに100%時間を使おうと決めていたので、インターンの面接は一切受けていなかった。Co-Founderたちは「保険として」インターンの面接も受けていた。残念ながらどんなチームでもこのような温度差は必ず生じる。彼らはインターン面接に時間を使っていたが、僕は全然気にしていなかった。それを規制するのは無理だし、そこを議論してる時間がもったいない。
SVP はまず書類選考があり、その後面接、そして10チームが選抜される。
僕らはビジコンで得た教訓を元に、プロダクトを見せられるものに仕上げて行った。ハードウェアも3Dプリントし、アプリも見せられる状態まで仕上げる。
こうしてSVPの応募を済ませた。
まずは書類審査。
通過。
まずは一安心。実は書類審査で多くのチームが削られた事で、学内では「起業家育成の大学が起業家をこんな半端な審査で削ぎ落とすとはどういう事だ」と少し問題になっていた。これに関しては僕も概ね賛成だ。卒業生として敢えていうと、Babsonの起業家育成部門のオペレーションは凄く甘い。本気度が足りないように感じる。彼らも結局は教育機関のサラリーマンであり、ビジネスをジャッジする能力は低い。緊張感がないので、どんなアイディアでも親身になって応援してくれるという良い点もあるのだけれど。。
そして面接。
落選!
こうしてビジコンに続きSVPでも負けた。残念だったのは、SVPでの落選理由が聞けなかった事だ。
でもこれは1つの結果だ。受け止めて、次の策を講じなければならない。
まず、ほぼ全てのスタートアップのアイディアはほとんど一般には受け入れられない。一般に受け入れられるアイディアであればもうどこかの大企業がやっているだろう。断られ続けて、1%の確率で存在するファンや投資家を見つける。これが起業家として大切な事だ。
SVPに落選したけれど、僕は夏休みはビジネスに集中することに決めていた。もちろんCo-Founderたちもそうするものだと、僕は期待をしていた。