前略、派遣の冒険。

派遣社員が起業するとどうなるか

読書感想文 人生の勝算/前田裕二

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 

 

適当評価 ★★★★★

読書感想文は水曜18時に更新します。 

 

小さい時に母を亡くし、ストリートミュージシャンとしてお金を稼ぐことから彼の起業家人生が始まった。外資系金融を経て現在彼はDeNAでSHOWROOMというサービスを作っている。

本書で特に勉強になるのは、彼が幼少期のストリートミュージシャンの頃から研究している”コミュニティー”についての記述だ。例えば、彼はコミュニティが深まる要素として(1) 余白(2)クローズドな空間で常連客が出来ること(3) 仮想敵を作ること(4) 秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること(5) 共通目的やベクトルを持つこと、を挙げている。

こういった要素はスタートアップがプロダクトを作る際にはとても大切だ。プロダクトのみならず、組織を作る際にもとても役に立つ。

日本社会は、日本語という世界的に特殊な共通言語を共有している点で、自然とコミュニティは強いのかもしれない。その点英語圏の国は不利だ。移民やグローバライゼーションなどを仮想敵にする必要があるのかもしれない。

アメリカのLBGTや日本のオタクやSEALsを考えると面白い。LGBTが社会的に認められると、一見彼らは幸せに映るけれど、コミュニティ内に存在していた、仮想敵や共通目的がなくなり、コミュニティの”面白さ”がなくなる。オタクやSEALSも、社会的に認められてしまうと組織としてのマグニチュードが低くなる。

こうして考えると、ISISや北朝鮮空爆や制裁を与えるのは逆効果なのではないかと思ってしまう。空爆や制裁は彼らのコミュニティを強くする。彼らが組織として一番弱体化しやすいのは、国家として認められて、国連に加盟する時なのかもしれない。

 

話は逸れたけれど、いろんな思考実験をしながら読めるとても楽しい本だった。

彼の超人的な努力やエキサイティングなキャリアライフについての物語もとても楽しかった。おすすめ。