前略、派遣の冒険。

派遣社員が起業するとどうなるか

読書感想文 会社を変えても、あなたは変わらない?成長を描くための「事業計画」?/海老根智仁

 

適当評価 ★★★★☆

読書感想文は水曜18時に更新します。 

 

タイトルから、転職の話も多いと思いきや、著者の経営論に関する記述が大半。僕に取っては嬉しい誤算だった。

企業理念やビジョンを「土壌」と捉え、しっかりとした土壌の上に「幹」と「枝葉」が出来るという。ちなみに「幹」はビジネス戦略、「枝葉」はオペレーションだ。

僕が興味深かったのが「幹」の部分。実はビジネススクールで習う項目は「土壌」と「枝葉」が多い。どのようにビジョンを語り、チームを作り、どのようにマーケティングしてキャッシュを回すかという議論が多い。でも著者が言う通り、経営陣は「幹」の部分を考え抜かなければならない。

プロダクトで言えば、幹の部分はプロダクト周りの体験やエコシステムで、枝葉の部分は製品のスペックだろう。日本の企業は枝葉の部分はとても強いが、幹が弱い。逆にAppleなどは幹の部分がすごく強い。

 

興味深いのは前の記事で紹介した吉越さんと経営論が全く異なる点だ。吉越さんはビジョンや理念は必要ないといい、海老根さんはビジョン(土壌)がなければ幹も枝葉も育たないという。

このことから、自己啓発や経営論の本を読む時にいろんな人の本を読む必要があるということが分かる。当たり前だけれど、本は著者の経験の範囲内で語られており、著者の人生の中でそれが最適であっただけで、別の方法を試していないだけかもしれない。たまたま上手く行ったみたいなこともありえる。

 

経営の分野と役割についてとても明確にまとめられている良書。おすすめ。